国際スヌーズレン協会 日本支部  全日本スヌーズレン研究会

スヌーズレンとは

   スヌーズレン(Snoezelen)とは、2つのオランダ語"snuffelen"(鼻でクンクン臭いを嗅ぐ)と"doezelen"(ウトウトと居眠りをする)の合成語で、周りの環境を探索する能動的な側面とリラックスした静態的側面を併せ持っています。
 スヌーズレンは、1970年代の半ば、オランダの重度知的障害者施設において、指導員のHulsegge,J.とVerheul,A.によってレクリエーション(レジャー)活動として始められました。創始者の開発した感覚刺激機材やルームデザインは独創性に富み、利用者にとって心地よい空間を創出しました。この重度知的障害者を対象とするレクリエーションとしての創始から、スヌーズレンは今日、対象は幼児から高齢者まで年代を問わず、障害の有無を超えて拡がり、治療や教育としても発展をしています。
 スヌーズレンは、一般には視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を適度に刺激する多重感覚環境(Multisensory Environment)の中で利用者と指導者(介護士・治療士・教員等)と環境の3者間の相互作用による活動で、利用者と指導者の共感を重視し、利用者の主体性を尊重して行われます。
 1980年代以降、スヌーズレンは世界中の研究者や実践者によって、レクリエーション以外のさまざまな分野に応用されています。認知症の高齢者の介護、自閉症や発達障害のある子どもの教育、知的障害や身体障害のある人の福祉、心理的ケアの必要な人の治療、障害のない幼児の保育などに適用され、効果が実証されてきています。
 しかし、日本では、スヌーズレンはまだリラクゼーションを主たる目的としたレクリエーション活動という認識があります。世界の最新の研究や実践の動向を学びつつ、日本の国情にあった治療・教育としてのスヌーズレンの創造的な取り組みを促進し、その実践や研究成果を共有するために情報発信する必要があります。

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